総合保守
最初は緊張しながら検査に挑まれた患者さまが、目の前の医療機器を操作する技師さんの落ち着いた物腰に、安心して身体を委ねられていく。
病院内で見られるこのような光景は、患者さまへの心遣いと、使用している機器への病院職員さんの信頼感が、検査を受けている側に伝わり、生まれるのではないでしょうか。
私たちは数年前から、病院に代わり医療機器管理サービス (JUST for ME) を始めました。病院職員さんが、安全に安心して医療行為に専念できる支援を間接的に行っています。
規模にもよりますが、ひとつの病院には数百台から数千台単位の医療機器が導入されています。 購入時期や点検期間の異なるこれらの機器は、1年を通しての点検作業が義務づけられており、その業務は各病院に任されています。機器1台ごとに職員さんが対応する必要もあるため、煩雑なうえに時間を取られる負担の大きい仕事と言えるでしょう。
ほとんどの病院では、職員さんが診療業務と兼任で管理を担当されています。病院の性質上、来院される患者さまへの診察が、どうしても最優先になりがちです。だから機器の修理や点検について心に引っかかりながらも、じっくりと管理に取り組む時間を捻出しにくいとおっしゃる職員さんは、少なくありませんでした。
患者さまの治療や検査に用いる機器を、いつでも万全な状態に保ちたいが、それにはどうすればいいか。
お客さまから寄せられた声をもとに、より安全な医療機器管理体制を築くためにトミキが以下の内容の「総合保守」分野に乗り出したのです。
・病院内の機器はトミキから購入したもの以外も、包括的に修理・点検を行う
(社内の技術部門が、各メーカーの製品のアフターフォローを担当。必要に応じてメーカーさんに修理依頼をすることで、いつも安全に機器を使用できるようにする)
・メーカーさんの機器操作や新製品についての最新情報を、いち早くお知らせする
(職員さんが、いつでも安心して機器を取り扱えるようにする)
・機器類の故障・修理の発生、及び定期点検や購入・廃棄にかかる費用などのデータを数値化
(数字で表すことにより、お客さまが保守にかかる予算を把握でき、病院経営の見通しが立てやすくなる)
煩雑な機器の管理を私たちがお手伝いすることで、病院スタッフさんが患者さまに安心して向き合えるように、物理的・精神的に環境を整えるサポートをさせていただくのが狙いです。
実際に「総合保守」を導入した病院の皆さんから、
「そろそろ定期点検の時期だから、壊れたあの機器を修理しないと……といつも気がかりだった段取りから解放されて、気持ちの負担も軽くなった」
「あと数年後に大型機器の買い替えがあるから費用は大体このくらい、と更新時期や金額的な目安もつくようになり、経営面での計画が立てやすくなった」
などのご報告をいただいています。他にもこんな意見がありました。
「職員の負担が減ったので、総合保守を取り入れて良かったよ」
「医療機器管理の重要性がみんなに浸透した結果、病院全体の意識が高まった」
何より嬉しいのは、「自分たちは安全な医療を行えていると自信が持てるようになった」という言葉が聞けたことでしょうか。 いつも万全な状態で機器を使用していると職員さんが自負した結果生まれる「安全」は、患者さまの気持ちの「安心」にもつながると思っています。
単に医療機器を売るだけではなく、その行く末までを見届ける。
今後もお客さまと一緒に、医療と経営の両面での安全・安心の波及効果を生む、病院に合わせたオーダーメイドの管理の仕方を見つけていきたいと願っています。